「~から〇日以内」という表現における最終期限とは?

「今日から7日以内に入金をお願いします」「今日から3日以内に仕上げといて」

この「~から〇日以内」という表現は、ビジネスなどの場面では、多々ある表現かもしれません。

しかし、この表現、実はかなり多義的で、いろいろな解釈ができます。

今回は、法律的にみて、上記のような表現をどのように理解すればよいのか、実生活ではどのように理解すればよいのか、といった点を解説します。

「~から〇日以内」の法律的な意味付け

まずは、「~から〇日以内」という表現を法律的な解釈・理解について見ていきます。

「~から〇日以内」という場合、原則として○○の日を初日としてカウントしません。

ただ、例外もあるので注意が必要です。

原則論 具体例その① 「請求の日から3日以内」

「~から〇日以内」という表現は、法律的に見て、初日を参入せずにカウントした〇日目が満了日となることを意味します。これが原則です(原則論)。

「請求があった日から3日」という場合、請求があった日を含まず3日カウントします。

たとえば、6月1日に請求があった場合、法律的には6月1日は参入せず、2日、3日、4日と3つカウントした4日目が期間の満了日となります。

そのため、6月4日までに入金を済ませれば足ります。

原則論 具体例その② 「請求の日から1月、1年以内」

「〇〇から1月」、「〇〇から1年」と言われた場合も考え方は一緒で、初日は参入しません。

ただ、月や年で期間を定めた場合、満了日は起算日に応当する日の前日になるというのが法律上のルールです(民法143条1項)

たとえば、請求の日から1月と言われて、6月1日に請求があった場合、やはり初日は参入しないので、6月2日が起算日となります。

ただし、満了日は、起算日に応当する日の前日となりますので、7月2日(応当する日)の前日たる7月1日が満了日となります。年で定めた場合も考え方は一緒で、翌年の6月1日が満了日となります。

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満了日については、実はさらに細かなルールがあります。

この点については次の記事をご参照下さい。

期間計算の満了日はいつ?満了日が土日・祝日の場合の考え方等について

例外 初日をまるまるカウントできる場合

上記法律上の原則論に対しては例外もあります。

「~から〇日以内」という表現が用いられた場合でも、初日を24時間分カウントできる場合には、初日を参入して計算をします。

たとえば、来週月曜日から10日と言われた場合、「来週月曜日」は初日としてカウントします。

来週月曜日が6月1日だと仮定すると、ここから10日ですので、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と、カウントして、6月10日が満了日となります。

10日までに言われた処理をすれば、処理が間に合った計算です。

ローテキスト

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期間計算における起算日は、用語によっても変わり得ます。

「~から3日」と「~から起算して3日」とでは法律的な意味合いが異なります。次の記事をご参照願えれば幸いです。

起算日とは?その意味について

ローテキスト

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初日不算入の原則は民法が定めるルールです。このルールにそった期間計算の思考法を解説しています。

初日不算入の原則~民法140条~:いつも計算方法を忘れてしまうあなたへ

実生活における「~から〇日以内」の意味

法律論は上記の通りですが、実社会生活においては、「~から〇日以内」などの表現は、正直、多義的に使用されており、一義的にその意味を特定することはできません。

上記のような法律論が通用しない場面も多々あります。

その場合、初日を参入するのか不算入とするのかといった点については、文脈や慣習で判断していくことになります

多義的な解釈が可能

「~から〇日以内」との表現は、たとえば次の3つに解釈できます。

①初日を参入しないで、3日をカウントする方法
法律論における原則と同様の解釈です。6月1日から3日以内という場合、6月4日を最終期限とみる考え方です。

②初日を参入して、3日をカウントする方法
初日を参入するカウント方です。6月1日から3日以内という場合、6月1日、2日、3日とカウントして3日を最終期限と見ます。

③72時間をカウントする方法
初日を含むか否かではなく、72時間をカウントする方法です。

たとえば、6月1日のAM9時に「今日から3日以内」と言われた場合に、6月4日の午前9時を期限とみる考え方です。

文脈や慣習に従って判断する

上記のように、「~から〇日以内」という表現は多義的に解釈しうるものです。

そのため、実生活において、最終期限をどう見るかは、文脈や慣習で判断することになります。

たとえば、ある日の朝一番に3日以内にやるべき仕事を依頼された場合、初日を含めて3日と計算する方が、依頼した方の意に沿うでしょう。

他方、ある日の夕方5時の仕事の帰り際に、「今日から3日以内にこの仕事しといて」と言われた場合、これは、言われた日の初日を含めるものとも解釈できますし、実質仕事を行える明日からの3日間で仕上げてほしい、という趣旨にも解釈できます。

このように、実生活において、「~から〇日以内」と言われた場合、文脈やそれまでの慣習に従い、最終期限を判断していくことになります。

ネットを見ていても答えは出ない!?

上記のように「~から〇日以内」の意味内容は、文脈に沿って判断されることになるので具体的な場面における結論をネットで出すのはできないことが多いです。

上記のように、実生活において、「~から〇日以内」という表現が使われる場合、その意味合いは多義的で、しかも、その内容は文脈や慣習によって定まります。

そのため、ネットで、直接の回答を拾うことはまずできません。

ここまで読んでいただいて大変書きにくいところですが、最終期限をどうしても確定しなければならないのであれば、相手方当事者、先方に確認する作業が必要になります。