行行政書士試験において、行政法は配点の約4割(300点中112点)を占める最重要科目です。
しかし、初学者の多くが「行政主体」「行政庁」「行政機関」といった類似用語の区別がつかず、序盤で学習が停滞する傾向にあります。
この停滞を避け、効率的に得点源にするための通信講座活用法を解説します。
講義が理解を助ける
行政法のテキストには日常で見かけない専門用語が頻繁に登場するため、独学で文字だけを追い進めるのは非常に時間がかかります。
通信講座を利用する大きな利点は、講師がこうした難解な言葉を、具体的な事例(ケーススタディ)に置き換えて「噛み砕いてくれる」点にあります。行政法の用語は、単体で暗記するよりも、「どのような場面で、誰が誰に対して使う言葉なのか」という法的な関係性とセットで理解する方が、はるかに記憶に定着しやすいからです。
この利点を最大限に引き出すために、まずはテキストを精読する前に講義を視聴し、「誰が、行政庁に対して、どのような手続きや訴えを起こすのか」という全体像を、まずは映像や音声から取り入れてみてください。
文字情報の背景にある「法の仕組み(誰が誰に何をするか)」を先にイメージできていれば、その後のテキスト読解のスピードと理解度は飛躍的に向上します。
通信講座の活用例:講義を「3回」に分けて活用するパターン
講師によるかみ砕きを効率的に自分の知識にするためには、講義動画は、一度で全てを暗記しようとするよりも、目的を変えて複数回活用することで知識が定着しやすいはずです。特に行政法は、配点の4割を占めるため、丁寧な学習が求められます。
講義の視聴にグラデーションをつける
たとえば、以下のような3ステップで受講を進める方法は、効率的な学習パターンとして、おすすめの方法の一つです。
ステップ1:全体像の把握(まずは「誰が誰に」の地図を作る)
まずはテキストを精読する前に、細部にはこだわらず講義を最後まで通して視聴します。「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」という主要3法のつながりを確認し、「誰が、誰に対して、どのような法的手段をとるのか」という脳内の地図を作る作業です。不明点があっても立ち止まらず、まずは全体を完走することを優先しましょう。
ステップ2:言葉の具体化(「生きたイメージ」への変換)
2回目の視聴では、講師が解説の中で出す具体例をテキストの余白に書き込んでいきます。 たとえば「行政庁=お店の店長」「処分=店長が下した出禁命令」といった講師特有のたとえ話をメモすることで、無機質な専門用語を、あなたにとっての「生きたイメージ」へと変換していきます。
ステップ3:能動的な確認(記憶の定着)
3回目は1.5倍速などを活用し、講師の解説を追いかけながら、次に続く結論や理由付けを自分なりに予測します。単に受動的に聴くのではなく、「この場合は誰が訴えるんだっけ?」と能動的に思い出す作業を繰り返すことで、背景にある「法の仕組み」がしっかりと記憶に定着します。
スライドの図解を自筆する
以上の3ステップを実践する際、特にお薦めしたいのが「スライドの図解を自筆する」という習慣です。
行政法では「国・地方自治体・国民」という三者の複雑な利害関係を正確に把握することが求められます。文章だけでは整理しにくいこの三者関係も、通信講座の講義スライドでは構造化された「図」として提示されます。
これらを単に眺めるだけでなく、自分の手で紙に書き写して再現してみてください。 「誰が誰に対して動いているのか」を自分の手で描く作業は、用語の理解を深めるだけでなく、記述式問題で問われる「法律関係の整理能力」を養うための、最も実践的な訓練になります。
「耳」で全体像をつかみ、「手」で構造を再現する。この多角的なアプローチこそが、行政法攻略の最短ルートです。
効率を最大化する「質問機能」との付き合い方
ここまでは講義の活用法をお伝えしてきましたが、学習を進める中でどうしても生じる疑問への対処も重要です。通信講座の「質問制度」は強力な武器ですが、活用のタイミングには少し注意が必要です。
行政法という科目の特性上、「後の章で学ぶ内容が、前の章の疑問を自然と解消してくれる」ことが多々あります。そのため、一度の視聴で完璧に理解しようと質問を繰り返すよりも、まずは学習の手を止めないことを優先しましょう。
「複数回視聴し、さらに過去問を解いても解決しない概念の混同(例:無効と取消しの違い)」などに絞って質問を投げると、学習の停滞を最小限に抑え、より本質的な理解に時間を割くことができます。
結びに:行政法は「地図」を持ってから歩き出す
行政法は、一度その仕組みさえ理解してしまえば、本試験で安定して8割以上の得点を狙える「得点源」になる科目です。独学で用語の定義に迷い続ける時間を、通信講座の講義によって「演習と定着の時間」へと転換してください。
「誰が誰に対して、どのような法的手段をとるのか」。その地図を手にすることで、暗記に頼らない確かな実力が身につきます。
まずは検討している講座の無料体験講義などを活用し、行政法の最初の10分を視聴してみることをお勧めします。独学で数日悩んだ箇所が、プロの解説によって数分で解消される――その爽快な感覚こそが、行政法攻略の第一歩となるはずです。
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