目次
民法9条
民法9条
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
- 4コマ解説

【解説】
この規定は、「判断能力が不十分な方を守る」ことと、「その方の自由や自立を尊重する」ことのバランスをとるための非常に重要なルールです。
イメージしやすいように、ポイントを絞って解説します。
1. 原則:法律行為は「取り消せる」
成年被後見人(認知症などで判断能力が常に欠けているとして家庭裁判所から審判を受けた方)が、一人で結んだ契約(法律行為)は、後から取り消すことができます。
- なぜ取り消せるのか?
判断能力が不十分な状態で、不当に高い買い物をさせられたり、不利な契約を結ばされたりして、財産を失ってしまうのを防ぐためです。 - 誰が取り消すのか?
本人、またはサポート役である「成年後見人」が取り消せます。 - 取り消すとどうなる?
契約は「最初からなかったこと」になります。代金は返してもらい、商品は(現に利益を受けている限度で)返せばよくなります。
2. 例外:日常生活に関する行為は「取り消せない」
しかし、何でもかんでも取り消せるとなると、本人の生活に支障が出ます。そこで、「日用品の購入その他日常生活に関する行為」については、取り消しの対象外とされています。
- 具体例:
- スーパーでの食料品の買い物
- コンビニで飲み物を買う
- 散髪に行く
- 公共料金の支払い
- なぜ取り消せないのか?
これらまで取り消せる(=お店側がいつ返金させられるかわからない)となると、お店は成年被後見人と怖くて取引ができなくなってしまいます。
それでは本人が地域で普通に暮らすことができません。 本人の「自己決定権(自分のことは自分で決める権利)」を尊重し、普通の暮らしを継続するための例外規定です。
まとめ
このルールを大まかに言い換えると、次のようになります。
「大きな契約ミスから本人の財産をしっかり守るけれど、今日のご飯を買うような当たり前の自由は奪わない」
という仕組みです。