この記事は、行政書士試験の通信・オンライン講座について、低価格帯の「講座」を比較した記事です。
行政書士の通信講座の費用は5万円台のものから20万円台後半のものまで、大きな幅があるのが実情です。
20万円を超える比較的高価格帯の講座には、充実した講義内容やサポートの手厚さなど、低価格帯の講座にはない特徴があるものの、金額面で予算が合わない場面があるのも確かです。
そこで、今回は、低価格帯で人気のスクールを紹介します。
- スタディング
- TEPPAN
- フォーサイト
- ユーキャン
スクール選びで大事にしてほしいこと
資格スクールを選択する際、私がもっとも大事にしてほしいことは、そのスクールで「自分で勉強・学習できる力を身につけられる」かどうかです。合格者数や合格率は大事ですが、2番手・3番手です。
行政書士試験は、合格率10数パーセントの試験であり、難易度は決して低くはありません。数百時間の勉強時間が必要と言われています。その試験に合格するためには、「あなた自身が自分で勉強すること」が必ず必要になります。
そして、「自分で学習する力を効率よく身に着ける」という視点でスクールを選ぶとき、重要になるのは、①「そのスクールがあなたの勉強スタイルにあっているか否か」です。
以下、4つのスクールを比較しますが、そのスクールがあなたの勉強スタイルに合っているか、という視点で検討してもらえると嬉しいです。
低価格帯の4社の比較表
まず、「フォーサイト」「スタディング」「TEPPAN」「ユーキャン」の4社について、①受講料目安・②講義ボリューム、③主な教材携帯、④学習の武器(こんな人におすすめ)をそれぞれ比較します(右へスクロールクロールできます。)
| 講座名 | ①受講料目安(通常価格) | ②講義ボリューム | ③主な教材形態 | ④学習の武器(こんな人におすすめ) |
| ✅スタディング行政書士講座 |
54,000円~ | 基本講義 :約44時間 演習講義 :約32時間 |
・ウェブ講義(スマホ・PCのみも可) ・(「本型のテキスト+ウェブ」のスタイルに加えて、「完全ペーパーレス」スタイルも想定 ・AI実力スコア・AI問題復習機能・暗記ツール機能アプリ |
・本型のテキストを使用しない受講生も中軸に想定した講義動画が作成されている ・通勤・通学などの隙間時間学習や「手ぶら」学習を重視した設計(※本型テキストも利用可) アウトプット講義に重きを置きたい ・コスト重視 |
| ✅【行政書士TEPPAN通信講座】
|
58,300円~ | 講義:(全体約53時間) |
ウェブ講義(スマホ・PCを中心とする学習) テキストとして市販書籍を利用 問題演習・学習管理アプリ利用 |
・学部等である程度、民法や行政法をすでに勉強された方 ・過去問以外の問題演習にも重きを置きたい |
| ✅フォーサイト行政書士講座 |
66,800~ |
導入講義 :約3時間 基礎講義 :約53時間 演習講義 :約16時間 |
ウェブ講義(スマホ・PCを中心とする学習) フルカラー・豊富な図解をベースにしたテキスト(※ダウンロードも可能) eラーニング「ManaBun」 ・確認テスト ・チェックテスト ・過去問再現演習など |
・50時間超(全体は約72時間の講義)のインプット講義 ・図表などの視覚的理解に重きを置きたい ・スマホで隙間学習したい |
| ✅ユーキャン行政書士講座 | 69,000円~ | 講義(全体約40時間) | ・紙のテキスト + 動画 ・ウェブ演習ツール ・プロによる添削指導+質問制度 |
・ミニマムな学習量のテキストを利用。 ・コンパクトに学習したい ・「質問」や「添削指導」に重きを置きたい |
※「受講料の目安」は、「テキスト」「講義」「演習(演習講義)」がセットになった講座(そのスクールで、「メイン」「中心」と位置付けられる講座)の費用をピックアップしています。
※「答練付き」「模試付き」のコースなど、講座にバリュエーションがあるスクールもあります。
※「過去問演習のみ」などの単講座の価格だけみれば安い講座は他にもありますが、ここでは紹介していません。
※この4社の中で、フォーサイトは合格率を公表しており、2025年度合格率につき58.5%としています。ただ、これは、受講生全体を分母とするものではなく、フォーサイトが実施する「確認テストおよび学力テストの適用条件(一定の成績を収めている等)」を満たすものを分母として算出されたものです。
以下、次に、各スクールの特徴や講義動画等について見ていきます。そのスクールが「あなたの勉強スタイルにあっているか否か」の検討材料としてください。
スタディングについて
スタディング行政書士講座は、スマートホンでの学習効率に特に優れた講座です。
講義について

私のスマートホンで、スタディングの講座を確認したときのディスプレイはこの画像のようなイメージとなります(実際には、同画面のみを拡大することも可能)
✅画面下部にはテキストが表示されます。スマホで勉強する場合は、講義の進行に合わせて、スマホでウェブテキスト部分のみをスクロールしていくスタイルになります(別途、冊子タイプの紙テキストもあります。)。
✅この講義は、単にテキストを読み上げるような講義ではなく、「分かりやすくする」講師の工夫がなされています。
・重要な単語が出て来たときに抑揚をつける
・難しい単語をわかりやすい言葉に言いかえる、
・わかりにくい概念・場面について具体例を駆使するなどなど
✅一回の講義の中にも、重要項目ごとに数分単位でプレイリストが設定されており、再度聞きたい、といったときに、1クリックで「戻ってきく」ことが可能です。
✅パソコン・スマホでテキストデータのドラッグ&コピーが可能です。復習用にコンパクトなまとめノートを作りたい、といった時に、瞬時に活用できます。
+αの学習ツール
✅スタディングには、基礎講座動画・ウェブテキストに加え、たとえば、次のような学習ツールが準備されています。
- AI実力スコア
「今、試験を受けた場合に、何点取れるのか?」をAIを使って予測する機能。これにより、現在の科目別・単元別の実力をリアルタイムで把握することが可能です。 - AI問題復習
AIが、講義の進捗や、過去のあなたの演習の結果・時期(忘却曲線等も加味)から、適切なタイミングで適切な復習問題を出題をしてくれる機能です。 - ウェブ暗記ツール
ウェブテキストをコピーし、自分が覚えたい箇所をマーキング。これを暗記モードにすることで、マーキングした箇所が赤く塗りつぶされ、スマホが暗記ツールに早変わりします。 - 学習管理
スタディングで学習した時間や進捗状況が自動で集計される機能が利用できます。学習の現在地を視覚的に把握できる機能です。
✅動画視聴をした後、スマホで演習・暗記を繰り返す、うまく解けない部分は再度、動画を視聴して理解を深める、といったサイクルが、スタディングで想定される勉強スタイルです。また冊子のテキストが付帯するコース・テキストのみの販売もありますので、スマホと紙テキストとを併用することも可能です。
✅なお、スタディングでは、講義で分からない部分などにつき、ウェブを通じて質問するチケットも準備されています。但し、有料です。ほかの学習者の方の質問とこれに対する回答もサイト内の掲示板で整理されてますが、その閲覧にもチケットが必要です(後述のコンプリートコースには、有料チケットが30枚分含まれています)。
3つの代表的な講座
スタディングの代表的な行政書士講座は、①ミニマムペーパレスコース、②スタンダードコース、③コンプリートコースの3つです。それぞれ、本型テキスト(冊子)を付けるか否かを選択することが可能です。
| ①ミニマムペーパーレスコース | ②スタンダードコース | ③コンプリートコース | |
| 税込価格(通常価格) | 34,980円 | 54,000円 | 69,400円 |
| 冊子テキスト | コースには付いていない。別売19,800円で別売可能 | コースについている。冊子テキストを付けない場合、一括44,000円税込 | コースについている。冊子テキストを付けない場合、一括59,400円税込 |
| 短期合格セミナー | 〇 | 〇 | 〇 |
| 基本講義の動画 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ウェブテキスト | 〇 | 〇 | 〇 |
| 過去問解法講座 | × | 〇 | 〇 |
| スマート問題集(一問一答) | × | 〇 | 〇 |
| 13年分テーマ別過去問集 | × | 〇 | 〇 |
| 記述式解法講座 | × | 〇 | 〇 |
| 記述対策問題集 | × | 〇 | 〇 |
| 横断総まとめ講座 | × | × | 〇 |
| 合格答練 | × | × | 〇 |
| 合格模試 | × | × | 〇 |
| 学習QAチケット30枚 | × | × | 〇 |
| AI添削チケット130枚 | × | × | 〇 |
参照:スタディング行政書士講座へ
TEPPANについて
【行政書士TEPPAN通信講座】は、コンパクトな講義+問題演習を中核に据えた講座です。
講義について
私のスマホ画面で講義を見るとこのようなディスプレイとなります。スマホ大画面で見た場合、画質・文字はとてもクリアです。
✅講義に際しては、講師が操作するポインターが、レジュメ該当箇所を指し、内容の理解を深めてくれます。
✅TEPPANは、TAC出版による市販のテキストを使いますが、講義の解説では、レジュメが中心です。レジュメは、PDFファイルとしてダウンロード可能です。
✅講義全体の時間は短めですので、一度、法律を収めたことのある方・短期の学習でカリキュラムを終えて、早く自分の勉強に移りたい方に向いています。
+αの学習ツール
TEPPANには、基礎講座動画・ウェブテキストに加え、たとえば、次のような学習ツールが準備されています。
- 学習管理機能
試験日までを逆算した学習プランが自動設計される学習管理機能が利用可能です。 - 講義動画に直結した問題演習
ウェブサイトにおいて、講義動画の視聴開始画面の直下に関連する演習問題のページリンクが置かれています。この工夫により、「動画視聴+ウェブ問題演習」という勉強をストレスレスに行えます。地味かもしれませんが、ストレスレスに演習に移れるのは、勉強の効率性・継続性を高めてくれます。
3つの選択肢
TEPPANのコースは、3つです。
✅いずれのコースにも、「Web講義動画 約53時間」、「Web練習問題 422問」「Web過去問題 過去7回分」、「ダウンロード用教材(レジュメ・講義音声)」が含まれます。
✅コースの違いは、書籍(テキスト・問題集)が受講料金に含まれるか否かです。
- 書籍無しコース 55,000円
- 書籍1冊コース 58,300円
・受講料金にテキスト『2026年度版 スッキリわかる行政書士』 定価3,080円が含まれるコースです。 - 書籍2冊コース 60,500円
・受講料金に、上記のテキストに加え、問題集『2026年度版 スッキリとける行政書士 頻出過去問演習』 定価2,200円が含まれるコースです。
参照:【行政書士TEPPAN通信講座】へ
フォーサイトについて
フォーサイトの行政書士講座は、充実したインプット講義・視覚的効果の優れたテキストが魅力の講座です。併せてウェブ学習ツールがアウトプット演習を補います。
講義について
私のパソコンでフォーサイトの動画(フォーサイト2021年行政書士 サンプル講義(YouTube)より引用)を確認すると、ディスプレイはこの画像のようになります。✅法律の講座は得てして単調になりがちですが、フォーサイトの講義は、有名講師が表情や身振りを交えて解説する、講師がテキストの重要個所にマーキングをしていきながら解説をするなどの場面が随時切り替わりながら行われるため、単調さを感じさせません。
✅もともと視覚的効果のすぐれたテキストが利用されていますが、講義中の行使によるマーキングにより、受講者の理解が自然に深まる講義形態がとられています。
✅難解な概念の解説に具体例や分かりやすい言いかえ表現がなされるなど、法律を分かりやすくするための講義の工夫が随所に散りばめられており、講座を担当する講師が講師が有名になったのも分かります。
+αの学習ツール
✅フォーサイトの行政書士講座には、基礎講座動画・ウェブテキストに加え、たとえば、次のような学習ツールが準備されています。
-
アウトプット学習機能
フォーサイトの動画講義では、アウトプットよりもインプットに多くの時間が割かれていますが、フォーサイトの学習ツールManaBun(マナブン)のアウトプット学習機能(確認テスト・過去問再現演習・過去問一問一答演習(後述のバリュー3参照)・合格カード(デジタル単語帳))によりアウトプットも充実する設計となっています。 -
サポート機能
ManaBun(マナブン)には、フォーサイトへの質問機能、自動スケジュール・学習プラン作成機能が備わっており、学習上の疑問点・不安を解消する仕組みが整えられています。 - eライブスタディ
私は、これが他と一線を画すると思っているのですが、フォーサイトの講座では、基礎講座には無いリアルタイム講座が開かれることがあり、かつ、ManaBun(マナブン)では、一定期間過去に遡ってこれをみることができます。学習者が、よくわからない、あるいは、得意にしておきたいといったテーマを選択して視聴することで、学習効率が大きく高まります。
3つの代表的な講座
✅フォーサイトの代表的なコースは次の3つです。そのほか、紙のテキストを使わないデジタルプラン等もあります。
| バリュー1 | バリュー2 | バリュー3 | |
| 基礎講座 | ○ | ○ | ○ |
| 過去問講座 | ○ | ○ | ○ |
| eライブスタディ | 〇 | 〇 | 〇 |
| 直前対策講座 | – | ○ | ○ |
| ペースメーカー答練講座 | – | – | ○ |
| 過去問一問一答演習 | – | – | ○ |
| 無料質問回数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
バリュー3にある「過去問一問一答演習」は、行政書士試験の過去問の選択肢ごとに正誤を判定するアウトプット演習です。1肢毎に正誤・解説の確認を繰り返していくことで、習熟度を高めていく工夫がなされています。
参照:フォーサイト行政書士講座へ
ユーキャンについて
ユーキャンの行政書士講座は伝統ある通信講座です。昔からの手厚いサポートにデジタルの利便性が追加されています。
講義について
私のスマートホンで確認したユーキャンの体験講座の動画は、このようにディスプレイされます(講義画面のみを表示させることも可能です。)。✅講義画面では、視覚的に理解しやすくするために、図や表が多用されています。
✅講師によるスタンディング講義が特徴で、講師が身振り・指さしなどを交えて講義が進むため、教室で授業を受けているような臨場感があります。
✅講義画面の直下には、確認テストが準備されており、講座視聴後の知識の確認への導入をスムーズに行うことが可能です。
+αの学習ツール
ユーキャン行政書士講座には、基礎講座動画・テキスト(一部デジタルでも提供されている)に加え、たとえば、次のような学習ツールが準備されています。
- 通信サポート
ユーキャンでは、有資格者による添削(7回:総合実力診断テスト1回を含む)が講座内容に含まれます。また、質問も1日3問までが可能です。これらの手厚いサポートが、ユーキャンを利用する大きなメリットです。 - スケジュール管理機能
ユーキャンの講座では、スマホなどを使って、学習スケジュールを自動で管理してくれる機能を利用できます。学習進捗と残りの学習期間から、その週に学習すべき課題・ペース配分が自動的に行われます。
コース紹介
ユーキャンの講座は、次の通りです。
行政書士講座 6万9000円
✅この講座には、メインテキスト:全8冊(入門2冊、応用6冊)、副教材(実戦問題集3冊、ガイドブック、添削関連書類一式)が含まれます。
✅なお、ユーキャンの行政書士講座は、教育訓練給付金制度・リスキリング制度の対象講座となっているため、働きながら勉強をされる場合、受講コストを大幅に下げることができる可能性があります(詳細は、公式サイトをご参照ください。)
参照:ユーキャンの講座へ