「検察庁法の改正に抗議する」というワードがトレンドになっています。
私もこれにコメントしたくて、どんな法改正なのか、そもそも知っておかないとコメントしようがないと思って、話題の検察庁法22条の改正案を見てみました。
検察庁法改正案22条の規定
上記の通り、検察庁法改正法案に抗議する」との話題に乗っかって私もコメントしたくて、まずは改正法案の条文を見てみました。
ふむふむ、なるほどなるほど、えぇ、ええ、割と早く結論がでましたよ。
条文が難読すぎる。私も抗議します!
これは誰が読めるんでしょうか。
検察庁法改正法案22条
<第1項>
検察官は、年齢が六十五年に達した時に退官する。
<第2項>
検事総長、次長検事又は検事長に対する国家公務員法第八十一条の七の規定の適用については、同条第一項中「に係る定年退職日」とあるのは「が定年に達した日」と、「を当該定年退職日」とあるのは「を当該職員が定年に達した日」と、同項ただし書中「第八十一条の五第一項から第四項までの規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)を延長した職員であって、定年退職日において管理監督職を占めている職員については、同条第一項又は第二項の規定により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合であって、引き続き勤務させることについて人事院の承認を得たときに限るものとし、当該期限は、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して三年を超えることができない」とあるのは「検察庁法第二十二条第五項又は第六項の規定により次長検事又は検事長の官及び職を占めたまま勤務をさせる期限の設定又は延長をした職員であって、定年に達した日において当該次長検事又は検事長の官及び職を占める職員については、引き続き勤務させることについて内閣の定める場合に限るものとする」と、同項第一号及び同条第三項中「人事院規則で」とあるのは「内閣が」と、同条第二項中「前項の」とあるのは「前項本文の」と、「前項各号」とあるのは「前項第一号」と、「人事院の承認を得て」とあるのは「内閣の定めるところにより」と、同項ただし書中「に係る定年退職日(同項ただし書に規定する職員にあっては、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日)」とあるのは「が定年に達した日(同項ただし書に規定する職員にあっては、年齢が六十三年に達した日)」とし、同条第一項第二号の規定は、適用しない。
<第3項>
検事又は副検事に対する国家公務員法第八十一条の七の規定の適用については、同条第一項中「に係る定年退職日」とあるのは「が定年に達した日」と、「を当該定年退職日」とあるのは「を当該職員が定年に達した日」と、同項ただし書中「第八十一条の五第一項から第四項までの規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)を延長した職員であって、定年退職日において管理監督職を占めている職員については、同条第一項又は第二項の規定により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合であって、引き続き勤務させることについて人事院の承認を得たときに限るものとし、当該期限は、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して三年を超えることができない」とあるのは「検察庁法第九条第三項又は第四項(これらの規定を同法第十条第二項において準用する場合を含む。)の規定により検事正又は上席検察官の職を占めたまま勤務をさせる期限の設定又は延長をした職員であって、定年に達した日において当該検事正又は上席検察官の職を占める職員については、引き続き勤務させることについて法務大臣が定める準則(以下単に「準則」という。)で定める場合に限るものとする」と、同項第一号及び同条第三項中「人事院規則」とあるのは「準則」と、同条第二項中「前項の」とあるのは「前項本文の」と、「前項各号」とあるのは「前項第一号」と、「人事院の承認を得て」とあるのは「準則で定めるところにより」と、同項ただし書中「に係る定年退職日(同項ただし書に規定する職員にあっては、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日)」とあるのは「が定年に達した日(同項ただし書に規定する職員にあっては、年齢が六十三年に達した日)」とし、同条第一項第二号の規定は、適用しない。
<第4項>
法務大臣は、次長検事及び検事長が年齢六十三年に達したときは、年齢が六十三年に達した日の翌日に検事に任命するものとする。
<第5項>
内閣は、前項の規定にかかわらず、年齢が六十三年に達した次長検事又は検事長について、当該次長検事又は検事長の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該次長検事又は検事長を検事に任命することにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由があると認めるときは、当該次長検事又は検事長が年齢六十三年に達した日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、引き続き当該次長検事又は検事長に、当該次長検事又は検事長が年齢六十三年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務をさせることができる。
<第6項>
内閣は、前項の期限又はこの項の規定により延長し(新設)た期限が到来する場合において、前項の事由が引き続きあると認めるときは、内閣の定めるところにより、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内(その範囲内に定年に達する日がある次長検事又は検事長にあっては、延長した期限の翌日から当該定年に達する日までの範囲内)で期限を延長することができる。
<第7項>
法務大臣は、前二項の規定により次長検事又は検事長の官及び職を占めたまま勤務をさせる期限の設定又は延長をした次長検事又は検事長については、当該期限の翌日に検事に任命するものとする。ただし、第二項の規定により読み替えて適用する国家公務員法第八十一条の七第一項の規定により当該次長検事又は検事長を定年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま引き続き勤務させることとした場合は、この限りでない。
<第8項>
第四項及び前項に定めるもののほか、これらの規定により検事に任命するに当たって法務大臣が遵守すべき基準に関する事項その他の検事に任命することに関し必要な事項は法務大臣が定める準則で、第五項及び第六項に定めるもののほか、これらの規定による年齢六十三年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務をさせる期限の設定及び延長に関し必要な事項は内閣が、それぞれ定める
改正法案22条2、2項は国家公務員法81条の7(こちらも新設)を読み替えているので、こちらの条文も挙げておきます。こちらも難読。
<国家公務員法第81条の7>
任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該職員を当該定年退職日において従事している職務に従事させることができる。
ただし、第八十一条の五第一項から第四項までの規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)を延長した職員であって、定年退職日において管理監督職を占めている職員については、同条第一項又は第二項の規定により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合であって、引き続き勤務させることについて人事院の承認を得たときに限るものとし、当該期限は、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して三年を超えることができない。
一 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由
二 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の退職により、当該職員が占める官職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由
② 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項各号に掲げる事由があると引き続きると認めるときは、人事院の承認を得て、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、当該期限は、当該職員に係る定年退職日(同項ただし書きに規定する職員にあっては、当該職員が占めている管理監督職にかかる異動期間の末日)の翌日から起算して三年を超えることができない。
③前二項に定めるもののほか、これらの規定による勤務に関し必要な事項は人事院規則で定める。
改正検察庁法の大雑把内容
なお、改正検察庁法22条の大雑把な内容を一応読み解いて見ると次の通りです。
<1項>
→検事総長を含めて、検事の定年を65歳とする。
<2項>
→内閣は、一定の場合に検事総長、次長検事又は検事長の定年を延長できる。
第3項
→法務大臣は、検事又は副検事の定年を延長できる。
第4項
→次長検事及び検事長は63歳で役職を失う(平検事になる。)。
第5項
→内閣は、63歳を迎える次長検事・検事長の役職を1年延長できる。
第6項
→内閣は、延長した次長検事、検事長の役職をさらに1年延長できる。
第7項
法務大臣は、役職延長の期限が切れた次長検事、検事長につき、平検事に任命する。
第8項
→法務大臣と内閣は、この規定に基づく任命・役職延長に関するルールを定める。